保証人と連帯保証人の違い

保証人と連帯保証人は共に保証契約という分類の契約であり、非常によく似た性質を持つ事で知られています。基本的な契約趣旨は共通しており、主債務者の負債に問題が起きた時などに弁済を求められる契約ですが、いざ債権者から弁済を求められた時の責任の重さは雲泥の差です。

催告の抗弁権

両者の違いは実際に保証人になった立場で考えると、簡単に理解する事ができます。
例えば、債権者から債務の弁済を求められた時に、保証人は「いきなり私に請求しないで欲しい。まずは借りた本人である債務者から取り立てるのが筋だろう。」と主張する事ができます。一般的には常識の範囲であるこの抗弁が、保証人は可能なのですが、連帯保証人には認められていません。
その為、連帯保証人である場合は、少し回収に手間取っただけの債権者から弁済を求められるリスクを背負う事になりますし、弁済を求められた時は直ちに支払いの義務が発生してしまいます。

検索の抗弁権

また、もう1点大きな違いである、検索の抗弁権という権利が存在します。簡単に説明すると債権者から弁済を求められた時に「債務者は財産を持っているではないか。まずはそちらに法的手続きをせよ。」と抗弁できる権利になります。この権利は、お金があるのに返さないといった不誠実な債務者である場合や、法的手続きを嫌う債権者などに対して有効であり、自身の財産の保護にも繋がる重要な権利です。また、債権者が抗弁により回収した債務の限度で保証債務も軽減されますので、負担軽減にも繋がります。
連帯保証人にはこの権利がありませんから、お金があるのに債権者が返済をしないといったケースにおいても弁済の義務が発生してしまいます。

分別の利益

意外と知られていない連帯保証人と比較した時の保証人のメリットが、分別の利益です。保証人を複数立てた時に適用される制度で、保証人は(保証人の人数で頭割りした)自分の負担分だけを支払えば良く、債務全ての責任を負う必要はないという制度になります。連帯保証人の場合は、(連帯保証人が複数いる場合)それぞれの連帯保証人に債務全額の履行を求める事ができます。要するに、自己負担に関係なく全額請求されてしまいますから、この差も無視できないほど大きな要素です。